Name: JOY Lee
age: 24+
birthday: 03 Jan '83
loves: God, the incredibles, SleePing blah blah..
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ある日、高官はヘオに、桶(おけ)に水を汲(く)んで白分の足を洗うように命じました。ヘオが高官の足もとにひざまずいて足を洗おうとしたとき、高官は自分の痣(あざ)を指さして言いました。
「おれの足には赤痣(あかあざ)が三つある。もしおまえが天からさずかったこの痣を傷つけるようなことがあったら、おまえの一族はひどい目にあうぞ、忘れるな!」
ヘオはこれを聞いて思いました。
「たかが痣三つで大げさな。何もわめくことはなかろう」
ヘオはしばらくためらっていましたが、上衣を胸までたくし上げ、自分の痣を高官に見せて言いました。
「ご主人さまは、たった三つの痣しかないのに高貴なしるしだと言われました。わたしめをごらんください、九つも痣がございます」
高官はヘオの背中に赤痣が九つもあるのを見て、目を見張りました。
「何ということだ。こんな高貴の相をもっているからには、こいつは国王にはならないまでも、きっと領主ぐらいにはなるだろう。もしこいつが国王か領主になったら天の定めなどないも同然だ。いまのうちに何とか殺さなければなちない」
それから数日後、高官は侍女に毒薬の包みをわたして、
「いいか、この薬をヘオにまぜるんだ。このことは口が裂けても誰にも言うな。もし、人にもらしたら、おまえも殺すぞ」
と恐ろしい顔をて申しつけました。
侍女はしかたなしに、その毒薬の包みを受け取りましたが、ヘオが可哀想でなりませんでした。けれども主人の命令には逆らうことができません。毒の入ったご飯をヘオに残しておきましたが、気が気ではありませんでした。その日、ヘオは、主人の筆や墨を買いに町に行っていました。ヘオが帰ってきたとき、侍女はちょうど豚に餌(えさ)を与えていました。腹ペコで帰ってきたヘオは、残してあった自分のご飯を大いそぎでかきこもうとしました。侍女はあわてて、そばにあった薪(たきぎ)をとって豚小屋をたたきながら大声をあげました。
「これこれ、豚!食べたら死ぬぞ!食べなくとも死ぬぞ!」
侍女は豚小屋をたたきながら、同じことを三度叫びました。ヘオは変だなと思いましたが、何のことか意味がのみこめませんでした。急いで侍女のそばにかけよって小声でそっと聞きました。
「いったい何なんだ?」
「ヘオ、わたしを忘れないでね。いま話をしてあげるから」
ヘオはうなずきました。侍女はヘオを人のいないところにひっぱっていって、これこれしかじかとわけを話しました。
「ヘオ、いますぐ逃げて!ここにいたら殺されるのよ!」
ヘオは侍女に心からお礼を言い、彼女の頭を抱いて口づけをして言いました。
「ありがとう。もしぼくが出世したら、訪ねておいで。そのときはいまのように髪を長く垂らして来てね。きっとすぐ思い出せるから」
高官の家をとび出したヘオは、ある金持ちの老人の家の門をたたきました。金持ちの老人は、ヘオが何か仕事をさせてくださいと頼むので、さてどんな仕事を与えたものかと、しばらく考えていました。ふと、遊んでいる子どもたちを見て、ヘオに子どもたちのお守を言いつけました。子守はヘオにとって何でもないやさしい仕事でした。
しかし、子どもたちは手をつけられないやんちゃで、少しも目をはなすことができませんでした。そのうえ、ヘオは子どもたちから怒鳴られてばかりいました。ヘオは口惜(くや)しかったけれど、ひと言も□答えすることはてきませんてした。
ある日、老人は、子どもたちが何となく退屈そうな顔をしているのを見て、ヘオに、
「おまえ、あの子たちの馬になっておやり。さぞ喜ぶだろう。そうしたらおまえを給金を払って雇ってやろう」
と言いました。
ヘオはしぶしぶ四つんばいになって、大きな子どもから小さな子どもまで背中にのせて歩きました。子どもたちは大喜びしました。そして翌日も、同じことをヘオにやらせました。大きな子どもは、ヘオの背にまたがって耳をひっぱりました。ヘオは痛いのをじっと我慢していました。しばらくして、その子どもは鞭(むら)をとってきて、本物の馬に乗ったようにヘオの尻をたたいて、「ひひーん、ひひーん」と馬の鳴き声をしました。もう我慢できなくなったヘオは、背中から子どもを振り落としました。はずみで子どもは、そばにあった煉瓦(れんが)の角に頭をぶつけて死んでしまいました、恐ろしくなったヘオはそのままその家から逃げ出しました。
ヘオはできるだけ遠くに逃げました。そして山の上のとあるお寺を見つけ、和尚に剃髪(ていはつ)してみ仏にお仕えしたいと頼みました。和尚は、毎日仏さまにお供えものやお灯明(とうみょう)をあげる小僧がひとりほしいと思っていたところだったので、二つ返事で聞き入れました。仕事はそれほど辛いものではありませんでした。ある日、和尚は仏像にほこりがいっぱいたまっているのを見つけ、ちゃんと掃除をしろと叱りつけました。翌日、ヘオは仏像を一つ一つ手から足まで丹念にみがきましたが、なかなか綺麗(きれい)になりませんでした。腹を立てたヘオは仏像に向かってどなりました。
「手をあげろ!」
すると木の仏像がゆっくりと手を高く上げました。ヘオはすばやく仏像の体を拭(ふ)き終え、こんどは、
「足をあげろ!拭くんだ!」
と命じると、仏像は立ち上がって足を上げてヘオの方に出しました。こうしてつぎつぎと仏像をみがきあげました。詩わると仏像をもとの姿に戻してきちんと並べました。
それからは、毎日、ヘオはこうして仏像を拭き清めました。ところがある日、例によって仏像の体や手足を拭き清めたのち、手足をもとの姿に戻すのを忘れて部屋に帰ってしまいました。その夜、和尚が夜の勤行(ごんぎょう)のため本堂に入ると、本来座像(ざぞう)であるはずの仏像がみな立っているのを見て、びっくり仰天(ぎょうてん)してしまいました。そこで、寺のお坊さんを全員集めて、いまだかつてないお姿の仏像を見せて証人としました。和尚がヘオを呼んで問いつめると、
「今日は、何となく心が落ち着かなくて、仏像にもとの姿に戻るよう言うのを忘れてしまいました」
と答えました。和尚は恐ろしくなりました。
「国王にしてはじめて仏に指示できると聞く。小僧のくせに仏に命令できるということは、いずれ国王になる人物だろう。いまお役人に知らせなければ、当寺がおとがめを受けるだろう」
そこで、和尚はすぐさま人をつかわして役人に知らせました。他の小僧がヘオにこのことを知らせました。ヘオは役人が来る前にこの寺から逃げ出しました。
こんどは、ヘオは金持ちの商人のところに行きました。その家の前には緑も鮮やかな数本の檳榔樹(びんろうじゅ)が植えてありました。商人はヘオに、毎日水をやってこの樹の手入れをするよう言いつけました。ある日、樹の手入れに疲れてその根元に腰を下ろして考えこんでいました。しばらくして、三本の檳榔樹を順々に指さして、これはお父さんの樹、これはお母さんの樹、そしてこれは子どもの樹と言いました。
すると、この三本の樹はそれぞれ高さのちがう樹になりました。お父さんの樹は、どの樹よりも高く大きくなり、反対に子どもの樹はどの樹よりも低く小さくなりました。
翌日、主人が外へ出てみるといつもと樹の様子がちがうので、どうしたのかとヘオにたずねました。
「わたしが命じたらごらんのようにかわりました」
「もしそれが本当なら、あの樹のもと通りにしてみろ、できなかったら殺すぞ!」
ヘオは目をまるくして言いました。
「むかしから"覆水(ふくすい)盆にかえらず"と言うではありませんか。もとにはかえりません」
主人は怒って棒をふりあげてヘオを殴りました。ヘオは殺されてはたまらないとそこを逃げ出しました。お腹はペコペコに空(す)いていましたがひたすら逃げました。夜半まで飲まず食わずで逃げに逃げました。いまにも倒れそうになり、どこか家を見つけもぐりこんで寝ようと思いました。一軒の家を見つけて中をのぞいてみると、寝台は人でいっぱいで、みんな死んだように眠り込んでいました。よく見ると、竜王を祀(まつ)った祭壇に一人だけ横になれる場所があり、おあつらえむきにござまで敷いてありました。ヘオは寝ている人の間を、そっと足をしのばせて祭壇まで行き、倒れるように横になると朝までぐっすりと寝てしまいました。すっかり夜が明けるとヘオはまた歩きつづけました。
この家の主人が朝起きてみると、昨夜まで祭壇に安置してあった竜王の像が無残にも土間にころがっていました。そして祭壇にはござが敷いてあり、人が寝た跡がはっきりと残っていました。主人はあわててござを片づけ、土間にころがっている竜王の像をもとの祭壇に安置しようと手をかけました。しかし、不思議なことに、竜王の像はまわりの臣下の像とぴったりとくっついて離れませんでした。主人が驚いて、竜王の像を見つめていると、竜王にかわって臣下の像が言いました。
「わしはもともと天子の領地に住む者だ。天子が指示した場所に安んじておるのだ」
人びとは、昨夜天子がこの家に泊ったことをはじめて知りました。このことはあっという間に口から口へと各地に広がっていきました。この地方の人びとは、自分たちをみじめな暮らしから救ってくれる世直しの天子が出現することを心から願っていました。
その日ヘオは山奥深く逃げ、そこに山砦(さんさい)をかまえている盗賊の群に入りました。ヘオは戦うたびに手柄をあげました。そしてヘオは、力を認められ山砦の首領となりました。その日から、ヘオにひかれて山砦に集まってくる人が日ましに増えていきました。とりわけ、ヘオが天からこの世につかわされたものであることが知れわたってからはいっそう増えました。ヘオは兵をひきいて、人びとを苦しめている時の朝廷の軍勢と戦い、きりきり舞(まい)させました。そしてヘオの領地は日一日と大きくなっていきました。やがてヘオは白ら王を称し、朝廷を樹立し、官職を定めました。敵はヘオを豚の王と呼びました。
あるとき、王は領内を巡視しました。王の駕籠(かご)が、むかし住んだことのある省を通過したとき、護衡の兵たちが、黒い髪を背中まで垂らした一人の娘を連れてきました。あまりにも突然であったので、王はこの娘が誰であるかとっさには思い出せませんでした。しかし、娘の長いつやつやとした黒髪を見て、かつて毒入りの飯で殺されそうになったとき逃がしてくれた恩人であることを思い出しました。たいそう喜んで娘を都に連れ帰って后(きさき)にしました。
[Scor u`]
at Monday, May 15, 2006

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